こんにちは。
千葉県鎌ケ谷市で障害者グループホームを運営している、代表の小林です。
当グループホームでは、知的障害、精神障害、発達障害などのハンデのある方の共同生活の援助、自立へのご支援をさせていただいております。
今日は、精神障害をお持ちの方へのサポート方法を紹介したいと思います。
今回、このような記事を書くに至った理由は、ご本人さんからのや相談支援員さんから一番多い質問だからです。
精神障害を十分理解した上で、運営できているグループホームは非常に少ない状況でもありますので、ぜひ、目を通してもらえると幸いです。
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【精神障害の方への支援は?】
精神障害といっても、
・うつ病
・統合失調症
・パニック障害
・強迫性障害
・摂食障害
・適応障害
・解離性障害
などなど色々な症状の障害があります。
それぞれ、多種多様な悩みをお持ちです。
私自身がうつ病を2年間やっているので、精神障害になったときの気持ちがすごく分かります。
なので、精神障害の方への支援は強化していきたいと思っています。
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【私たちの精神障害のある方への支援】
私たちのグループホームでは、特に、以下の3つのことを念頭に精神障害のある方のご支援をさせていただいております。
それは、
①スタッフ全員が精神障害を理解すること。
②話すではなく、聞く。
③利用者さんには、目的やゴールを持ってもらうこと。
この3つです。
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1つづつ説明をさせていただくと・・・
①スタッフ全員が精神障害を理解すること。
私たちが、2年前にグループホームを始めた頃は、精神障害を理解しておらず、日々いろいろなことが起こりました。
例えば、入居者に鈴木さん(仮名)という方がいました。
統合失調症があり、精神病院を退院されたのち、当グループホームに入居をされました。
ある日、ご飯を食べ終え、食器を洗う前に、トイレに行きました。
そうすると、トイレに行ったきり、食器を洗うことを忘れて、お部屋に戻ってしまいます。。
普通だったら、「おいおい。食器忘れとるがなー!」というところですよね。
でも、この方は、ほぼ毎日そのような状況でした。
スタッフ全員が、「鈴木さん(仮名)いい加減にしてほしいです」と彼女のもの忘れについて、激怒していました。
声を掛けても掛けても直らなかったんです。
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なぜ、直らないのか?
これは、統合失調やうつ病になってみないと分からないと思います。
それは、精神障害のある方の特性として、『いつも頭の中で、考え事をしている』からです。
例えば、作業所で嫌なことがあれば、そのことがグルグルグルグル頭から離れることがありません。
そのことばかり考えているので、食器洗いを忘れてしまうんです。
【忘れ物が多いのが精神障害の特徴】
このことに気づいてから、スタッフ全員に『忘れ物が多いのが精神障害の特徴なので、優しく声かけしてくださいね』と周知をしました。
そうすると、スタッフたちは、「そうだったんですね」と鈴木さんを見る目が変わっていったんです。
このように、考え方の前提が根本的に変わることを、『パラダイムシフト』と言われたりします。
鈴木さんの障害の本質を見ることで、パラダイムシフトが起こった例となります。
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もう1つの例を紹介します。
それは、「がんばれ!がんばれ!禁止」です。
精神障害を患ってしまうと、周りからは、
・怠けている
・忘れ物が多い
・意欲が足りない
・頑張りが足りない
など、このような言葉を投げかけられることも少なくありません。
そうすると、人は、無意識のうちに、『もっとがんばらないとだめだよ』というような言葉を投げかけてしまうのです。
俗に言う、『叱咤激励』というやつです。
でも、よーーーーく考えてみると、
いま、精神障害で苦しんでいる人は、自分でなりたくてなった訳ではありません。
ましてや、これまでさんざん、がんばってきたことによって、精神障害を患ってしまう方も多いのです。
頑張りたくても、体が動かない人が多いし、自分なりに毎日頑張っている方がほとんどなんです。
なので、がんばっている人に、「がんばれ!」というのは本人にプレッシャーを与えるだけなのです。
なので、私たちのグループホームでは、「がんばれ!がんばれ!禁止」をしています。
「がんばれ、がんばれ」という、ありきたりな言葉ではなく、『がんばっているもんね』という言葉を投げかけるようにしています。
そうすると、なぜか、ご本人さんから「わたし、がんばります。」という返答が来るんです。
このように、精神障害を患った方を理解することで、グループホームでは、楽しい毎日が訪れるようになってきました。
これは一部の紹介ですが、今後も理解することを大事に運営をしていきます。
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それでは、2つめの「話す」ではなく、『聞く』
というお話をしたいと思います。
②「話す」ではなく、『聞く』
「まずは相手の話を聞きなさい!」
このようなことを言われたことがありませんか?
でも、実は、これが多くの方ができません。
特に、福祉や介護経験が長い方は、その人を良くしたいという思いから、ついつい、話しすぎてしまうものです。
でも、そこを我慢して、自分のことを伝える前に、相手の話しを聞いて、相手を理解することが求められます。
相手を理解するまでは、こちらが喋ってはダメなのです。
今回は、私がカウンセリング時にやっている話の聞き方を紹介したいと思います。
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大事なことは、
1.傾聴
2.「受け取る」と「受け入れる」
3.信頼関係と共感
相手の話に耳を傾ける。
ひとつづつ説明します。
1.傾聴
カウンセリングの基本は、傾聴から始まります。
「こちらの聞きたいこと」を「聞く」のではなく、 「相手の言いたいこと、伝えたいこと、願っていること」を 「聴く」ようにします。
相手が自分自身の考えを整理して、納得のいく結論や判断に到達するように サポートすることが大事です。
〈聴く〉の字のごとく、 耳だけでなく、耳と目と心で聴くようにします。
傾聴をする際には、「この人はこうだろうな」という前提を作らずに、フラットな気持ちで取り組むこともを大事な1つであります。
例えば、薄汚れた服を着ていて、無精髭を生やして、この人は、絶対に浮浪者だ。という身なりの人であっても、その前提を作って、話を聞かない。ということになります。
2.「受け取る」と「受け入れる」
傾聴の基本は、『聴く』ということが重要とお話ししましたが、聴く時に重要なのが、「受け取る」と「受け入れる」という考え方です。
これは、理解にもつながってくるのですが、相手の言ったことに対して、可もなく不可もなく『受け取る』ことが求められます。
それは、「私は、人を殺しました」と言われたとしてもです。
普通、「人を殺しました。」と伝えられれば、「それはマズイですね」「それはいけないですね」と否定をしてしまいたくなります。
しかし、傾聴の段階では、「人を殺してしまったんですね」と相手の言葉をそのまま受け取るようにします。
人は、「それはマズイですね」という否定的なことを言われると、それ以降の言葉が出てこないものなのです。
例えば、話しの流れは以下のようになります。
Aさん:「私は、人を殺しました」
わたし:「人を殺してしまったんですね」
Aさん:「はい」
わたし:「その時、何かありましたか?」
Aさん:「はい、その時に、ついカッとなってしまい、包丁を手にしてしまったんです」
わたし:「包丁を手にしてしまったんですね」
Aさん:「はい、包丁を手にしてしまいました」
わたし:「そのときの心境を教えてもらっていいですか?」
Aさん:「やってしまったという罪悪感でいっぱいになりました」
わたし:「罪悪感でいっぱいになってしまったんですね」
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お分かりでしょうか?
相手のお話しに対して、可否を問わず、「受け取る」ということをしています。
では、「受け入れる」とはどんなことでしょう?
続けてみます。
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わたし:「今後はどうしていきましょう?」
Aさん:「自首をしようか、逃走をしようか迷っています」
わたし:「自首か逃走で悩まれているんですね」
Aさん:「そうなんです。どうすればいいと思いますか?」
わたし:「Aさんは、どうしたいですか?」
Aさん:「できれば自首をした方が良いと思います」
わたし:「わたしもそう思います。自首をしましょう」
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お分りでしょうか?
最後の「わたしもそう思います。自首をしましょう」この時だけ、Aさんの言葉を受け入れています。
3.信頼関係と共感
カウンセリングの時に、重要なことは、
・相手に関心に関心を持つこと。
・尊敬をすること。
・信頼をすること。
・問題点を明確にすること。
・勇気を与えること。
この5つであると考えます。
例えば、Aさんという方がいれば、その人の関心ごとに関心を持ち、Aさんはできる人だと尊敬をし、Aさんは、信頼に足る人だと高く評価をします。
そして、私たちカウンセラーが一番しなくてはならないことは、その人の問題を明確にし、勇気を与えることです。
カウンセリングを受けてくれる人は、何かしらの悩みをお持ちです。そのような方の問題はどこになるのか?を明確にし、勇気を与えます。
それは、「あなたならできる」・「あなたでもできる」という勇気です。
人は、目的や目標できた瞬間に目の色が変わります。
死んだ魚の目をしている人でも、生き生きとすることがあります。
この生き生きとした目を絶やさないよう、グループホームでは、行動という形ができるよう、背中を押していければと思っています。
長い文章を最後まで見てくれてありがとうございます。
鎌ケ谷市近辺で障がい者グループホームをお探しならぜひ、見学にお見えになってください。
スタッフ一同お待ちしております。